色々と無理が多い。
【ケルベロス説の根拠】
黒ひげが『イヌイヌの実(幻獣種)モデル:ケルベロス』の能力者ではないかという説は昔から囁かれてはいた。
・黒ひげ海賊団の海賊旗が三つ首の髑髏。
・黒ひげは異形故に能力を複数持てたが、頭が3つあるのではないか。
大きくこの二つが論拠のようだ。
それに加えて今回明かされた「黒ひげは生まれてから一度も眠ったことがない」設定が、『1つの頭が眠っている間、他の2つが見張りをする』というケルベロスの伝承を想起させるものだったことにより、俄かにケルベロス説が活気づいている。
しかしながら、いくつかの理由で私はこの説に否定的だ。
【生まれた時から能力者?】
一つがはし。さんの仰るこれ。
黒ひげ、夜寝ないでケルベロス説が濃厚〜って言うとる人多いけど、生まれてこの方一度も眠ったことないなら、いつ悪魔の実食べたの?って思っちゃうけど、、、
— はし。 (@hazeiro) 2019年12月23日
そんな熱心な信者ではないからよー知らんけど。
確かに、 「一度も眠った事がない」ティーチの特性が仮にケルベロスの能力由来のものだったとしたら、ティーチは生まれた瞬間から悪魔の実の能力者だった事になってしまう。
生まれたての赤ん坊に悪魔の実を食わせるとはさすがに考え難い。
もっとも、倩さんが『悪魔の実の能力は遺伝するのか否かについて』の記事で書かれているように、先祖から子孫に悪魔の実の能力は遺伝するのではないかという考察もある。
この考察が正しければ、ティーチが生まれた時から能力者だった可能性が無いとはいえない。
【変身せずに能力が?】
とはいえ、だ。
そもそもの話、ゾオン系の能力者は基本的に「人型」から「獣型」「人獣型」に変身する事が出来る。
その変身によって能力とした動物の力を行使できるわけだが、人型の時にまでケルベロスの特性が作用し、普段から夜眠らなくなるなどあり得るかだろうか?
それも、SBSで描かれたティーチの様子からすると、自らの意志で眠らないようにしているのではなく、眠ることが出来ないように見える。
強制的な作用が発現するとは少々考え難かろう。
【異形】
極めつけが「(ティーチの)体の構造が異形」というマルコの台詞である。
ゾオン系の能力による変身を指して『異形』などという表現をするわけがない。
そんな事を言ったら、マルコ自身だって異形になってしまう。
ティーチの場合、人型の時も中身はケルベロスの体の構造になっている?
ますますあり得ない。
【結論】
というわけで、黒ひげがケルベロスの能力者である可能性は現状限りなく低いと言える。
海賊旗が三つ首となっている事から、ティーチは己の異形の身体をケルベロスの伝承と重ねているのかもしれないが、異形となって生まれたこと自体はケルベロスとは無関係だろう。
偶然なのか、人為的にそうなった(血統因子はベガパンクが発見した物なのでさすがに違うかな)かは解らないが。