いよいよ一花勝利へのカウントダウンが始まった。
111話『最後の祭りが五月の場合②』の感想はこちら。
【111話】
なるほどね。
五月に関しては最後まで色恋沙汰に巻き込まず、「教師と生徒」「良き相棒」として扱うわけか。
ヒロインレースから脱落する代わりに、唯一無二の関係性をフータローと築いたと言える。
いかにもメインヒロインのような登場をした彼女が、唯一明確な恋愛感情を抱かない展開は実に斬新。
【無堂】
111話では五月よりもむしろ無堂の方に注目してしまった、というのが正直な感想。
「罪滅ぼしの駒にはなりません」という五月の台詞で、無堂が彼なりに罪悪感を覚えており、自分なりに本心から娘を、不幸になった妻とは違う道に進ませようとした事が明かされたわけだが……何だろうな……。
いや、110話の時点で「無堂は善意のつもりで五月の進路を修正しようとしている」とは思っていたんだよね。
ただ、その「善意」とは、カギ爪の男のように『自分は正しい』と無堂自身が心の底から信じているようなものだと勘違いしていた。
五月への謝罪も口先だけでしかなく、本気で悪いとは感じていないのだと。
だが、どうも今週の狼狽っぷりを見る限り、五月への「助言」は真に罪悪感の裏返しであり、「零奈さんが悔やんだのは教師になったことそのものではなく、無堂に憧れた事に対してだ」という事実から目を逸らしたがってるだけのようだ。
罪悪感を抱えてはいても、素直に自分の非を認めることができず、「零奈に教師としての適性が無かったせい」「マルオがちゃんと父親代わりになれなかったせい」「五月が母親の真似事をしているせい」と何でも他人に責任をなすり付けようとしている。
しかし、本当は誰が悪いのか、無堂自身も解ってるからこそ、それを突きつけられて逃げたのだろう。
なんだかな。
今回のやられっぷりも、「ざまあ見ろ!」とスッキリした気分にはなれず、集団リンチを見ているかのような何とも複雑な感情を覚えた。
むしろ、無堂が哀れと思ってしまう。
いや、こうされて当然のクズ野郎なのは間違いないのだが……うむ。
もっと救いようのない根っからのクズだと思っていたのだが、生々しい人間の弱さを持ったクズだったが故に、急に同情心が芽生えてしまったや。
【家族】
今後の無堂の動向については……これだけ小物化が進んでいるとなると、これ以上悪役されても本当にただのウザイキャラになりそうだよね。
残る出番は改心イベントと、娘たちやマルオとの和解で良い気がするなあ。
五月の迷いを払うきっかけ、という役割は既に果たしているのだし……。
何だかんだ言っても血の繋がった家族なんだから、最終的には結婚式に招待される……とまではいかずとも、孫の顔を見せて貰えるくらいの関係性にはなってほしい。
……五月に関することの10倍くらい無堂について語ってるな。
心根が胡蝶カナエ並みに優しいせいで、無堂のようなクズにもついつい同情しちゃうんだよね。
【112話】
この学園祭編って結局のところ、まだ多少は鐘の下キスの相手の可能性が残されていた三玖と四葉の脱落が確定して、一花の勝利へと収束していったよね。
【四葉】
五月が解放された今、未だに重大な問題を抱えているのは四葉だけとなった。
こうなると最終章は四葉の闇の解決編が描かれる事になりそうだ。
自身の夢を肯定できるかどうかだけの問題だった五月とは違い、四葉は本物の闇に囚われているから、解決への道はよほど険しいものになるはずだ。
学園祭編が始まる前は、「四葉のみならず五月の問題が残ってるし、ここでフータローが答えを出すことはないだろう」などと考えていたのだが、五月の方が解決した以上、フータローが一花を選び、最終章の四葉救済編へと向かうのかもしれない。
自分が選ばれなかったことによって、これまで四葉が抑圧していた闇が全て爆発する展開は、最後の章として確かに相応しい。
【一花】
112話の時点では一花がマジで強い……
— ぽてと@バックギャモン移民 (@oimogotoyomebg) 2019年11月27日
①ポップコーンの塩味が残る→一花が好きな味、最後に一花が残る?
②最後のページ、ベランダが5コマ目→風太郎が最後に行くのは一花が待っている教室?
③なぜかマガポケで、一花が表紙の2巻に加えて一花ベランダ回の17話が無料開放される pic.twitter.com/2ZgCynrL1d
3巻のキャラクター紹介において、一花の好きな食べ物は塩辛となっています。
— ぽてと@バックギャモン移民 (@oimogotoyomebg) 2019年11月27日
さらに一花のキャラクターブックにおいて、五つ子の好きな食べ物・嫌いな食べ物は甘味・酸味・塩味・苦味・うま味の五大味覚を当てはめていて、一花の塩辛は塩味だとねぎ先生が明言しています。
なるほどねえ。
私は四葉編が終わった時点で一花の勝利を確信していたからあまり気に留めていなかったのだが、こんな秘密が隠されていたとは。
一花の待つベランダが最後に描かれただけでは弱いかもしれないが、わざわざ5つのメニューが用意されたポップコーンで、一花の好物を購入することになる描写に意味がないと否定する方が難しい。
さすがはネギと言うべきか、風太郎×一花派の元祖だけあって憎い演出をしてくれるものだ。