一花、真の花嫁説【五等分の花嫁 9巻感想】 の改定版。
※110話までのネタバレあり。
【キスの相手は】
上記の記事は表題の通り、9巻までの段階で書いたものである。
その後、一花以外のヒロインのレース脱落を証明する情報が複数出てきたので、ここで改めて五等分の花嫁という作品の勝利ヒロインは一花であることを論証していく。
春休み旅行で発生した鐘の下でのキスの相手こそが真・花嫁と確定しているため、二乃・三玖・四葉・五月がこの人物には当たらない根拠を挙げていき、消去法で一花の勝利を導き出したいと思う。
では、私が「より真・花嫁の可能性が低い」と考えるヒロインから順番に書いていく。
【五月】
彼女に関しては言うまでも無いだろう。
鐘の下キスの相手は自分からフータローにキスを迫っていた。
しかしながら、五月は未だフータローに対する恋愛感情を自覚していない。
キスなど求めるわけがないのだ。
現時点で最新話である第110話でもそうだったが、メインヒロイン的な立ち位置ながら勝利の可能性が皆無という点で特殊なヒロインよね。
【二乃】
五月に次いで可能性が低いのは二乃である。
彼女の場合、姉妹の中で最初にフータローに告白し、最も積極的に行動している。
それだけに鐘の下キスの相手の行動と合致するのではないか? と思われた読者もいるかもしれない。
だが、考えて見て欲しい。
二乃は春休み旅行の時点でフータローを自分のものにすると姉妹達にも公言しているのだ。
もし、彼女が春休みでフータローとキスをしていたら、正体が自分であることを明らかにし、フータローを振り向かせる材料として使っているはずだ。
しかし実際の鐘の下キスの相手は、自分の正体を明かさぬまま走り去っていった。
これは二乃のキャラクターと反する行動である。
彼女はその積極性が故に、真・花嫁の可能性が無いと言えるのだ。
さらに、9巻でのバイト中に春休みの旅行を思い出す場面では、「色々あったけど、私がリードしてる……はず」と、まるで春休み中の出来事は自分に不利に働いたことが多かったかのように独白していた。
唯一告白している自分がリードしているかどうかすら自信なさげで、明らかにキスまで持ち込んだ人間の反応ではないと分かるだろう。
【三玖】
続いて消えるのが三玖である。
春休み旅行での三玖は、フータローが自分を見分けてくれたことで、あくまでも「フータローに好きになってもらえる自分になる」ことを新たな目標に据えた。
教師と生徒の関係を終わらせようとした焦りから脱却し、自分を磨く事でフータローを惹きつけようという長期的な視点を持つようになったわけだ。
そんな彼女が皆に隠れてこっそりとフータローに近づき、あまつさえキスをねだったりするだろうか?
現在の三玖ならいざ知らず、春休み旅行当時の彼女からは考えられないと断言できる。
また、第106話のエピソードは、『三玖が今回初めて自分の殻を破ってフータローにキスした』という構造だった。
こういった話を描いた以上、春休みの時点で既に自ら走り寄ってキスを迫った真・花嫁が三玖だとは到底考え難い。
【四葉】
最後まで食らいついてきたのが四葉である。
彼女はなー。
記事を読んでもらえれば分かるが、一花、真の花嫁説【五等分の花嫁 9巻感想】を書いた時点では、五月と同じく真っ先に選択肢から消してたんだよね。
なんとなれば、その時点では四葉ははっきりとはフータローへの好意を示しておらず、姉妹を差し置いて自らキスなどする訳がないと考えたからだ。
しかしその後、中野 四葉、全ての黒幕説を思いついたことで全てが引っ繰り返った。
もし、彼女が本当はフータローのことが好きで、かつ腹黒女だったとすれば、抜け駆けのような形でフータローにキスを迫る事は十分考えられるからだ。
そして、実際に作中でも四葉の黒い一面が描かれたことで、私は戦々恐々としていた。
一花で間違いないと思っていたが、四葉ならあり得る……。
フータローの反応等を考慮に入れれば依然一花が優勢なのは変わらないとはいえ、もはやそれは確実なことではなかった。
だが、天は我に味方したもうた。
第108話でとうとう四葉が真・花嫁でないことが確定したのだ。
↑の感想記事を読めばお分かり頂けるかと思うが、彼女は眠っているフータローにキスをした後に、「私ってば思い切ったなー」と独白しているのである。
眠っているフータローにキスをすることすら『思い切った』と表現しているくらいなのだ。
これは明らかに、起きているフータローに自ら駆け寄り、キスを迫った真・花嫁の行動とは矛盾している。
真・花嫁は四葉ほどには慎ましくない、もっと明け透けで大胆な女なのである。
【一花】
お待たせしました。
いや、お待たせし過ぎたのかもしれません。
そうなのです。
妹4人が露と消え、最後に残ったヒロインこそが中野家の長女一花嬢なのであります。
鐘の下でフータローとキスをした真・花嫁の特徴は3つ。
・春休みの時点でフータローに明確な恋愛感情を抱いていること。
・他の姉妹に抜け駆けする形でフータローにキスをせがむような、大胆かつ図々しい性格をしていること。
・一方で、キスをした事実を堂々と武器に出来ぬくらいの臆病さと他の姉妹への遠慮を持っていること。
一花しか当てはまらないではないか。
【反論】
鐘の下でのキスの相手が一花だという主張に対してよく見られる反論が、「一花は足を挫いていたのだから走れない」というものだ。
しかしながら、捻挫をしたといっても一花は支えもなく普通に歩き、支えもなく階段を上り下りできていたくらいの軽度なものだった。
「短い距離を走ることもできない」と解釈するのは無理がある。
また、真・花嫁がフータローの所から皆の元へ戻る際の走り方に注目して頂きたい。
足の運びが少々妙なのが分かるだろう。
キスを迫りながら、妙な体勢でプルプル震え、フータローに寄り掛かった(そのせいでフータローは足を滑らせて転倒した)のも、足を軽く捻挫していたからだと見ることができる。
「捻挫」という要素はむしろ一花説を補強するものに他ならない。
【おわりに】
以上のように、消去法でも、鐘の下キスの相手との一致度から言っても、真・花嫁は一花という結論が導かれる。
そもそも、四葉と旅館の屋根で話す前から、その場の衝動でフータローにキスしようとしていたくらいなのだ。
四葉から「したいことをして」とお墨付きを貰い、フータローを「取られたくない」と自覚した一花が、旅の終わりにどういう行動に出るか、元より明らかだったと言えるだろう。
五月の問題も解決した今、今後の五等分の花嫁は四葉の救済と、フータローと一花がいかにして結ばれるかという物語に焦点が絞られていくはずだ。
非一花派の諸兄には、我らが一花の輝かしいバージンロードを、どうか暖かい目で見守って頂きたいものである。