ネオ天草のジャンプ感想日記

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五等分の花嫁 第101話『最後の祭りが一花の場合①』 感想

 当初、『敗北』の二文字が浮かんで胃がキュッとなったのだが、どうも杞憂だったようだ。

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【春休みのキス?】

  正直なところ、フータローと一花があのキスの話をした時、私は激しく動揺した。

 とある「恐れ」が真っ先に私の脳裏を過ったからだ。

 それは、「フータロー自身もそう捉えているように、いかにも春休みの旅行でのキスのことを話しているように見えるが、『実は一花は林間学校前の宿でのキスについて話しているつもりでいる』のではないか?」という疑惑だ。

 

 林間学校のあの時も、中野姉妹はフータローに見分けが付かないように、同じ髪型(カツラを被ってないので厳密には同じではないが)にしていた。
 その為、2人の間ですれ違い、認識の齟齬が起きているのではないかと考えたのだ。

 もし仮に一花が念頭に置いてるのが林間学校でのキスのことだけだとすると、彼女は春休みのキスのことを知らない=春休みキスの相手である真・花嫁は一花ではないことになってしまう。

 

 だが、4巻の林間学校を読み返してこの不安は解消された。
 あの時、中野姉妹はたしかに髪型を同じ髪型に(しようと)していたが、五月の格好をしたわけではなく、零奈、というか幼少期の頃の髪型に戻しただけだった。

 フータローの「五月の格好に~」という言葉に引っ掛かっていないということは、一花は別に林間学校の事を言ってるわけではないのだろう。

 

 とはいえ、では一花が春休みの鐘の下でのキスを念頭に置いていたかというと……今回の会話では何とも言えない。

 「へー、本当にしてたんだ」という台詞からすると、「遠目にキスしているように見えたから確認した」とも、「全く何も知らなかったが、フータローのキス経験の有無を確かめる為にカマをかけた」ともどちらとも取れる。

 

 しかも一花の場合、この振る舞いですら本当の事とは限らない。

 実はキスの当事者であるが、フータローが相手を自分だと気付いているかどうかを確認したかったという可能性すらある。

 そして、当然のことながら、私はこの最後の可能性こそが真相だろうと確信している。

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【林間学校のキス?】

 私が上記のような勘違いをしてしまった理由の一つとして、あの林間学校でのキスが何かふわふわしたまま流されているってのもあるんだよね。

 あの時、寝ているフータローに一花はキスをしたのか、そもそもあれが本当に一花だったのかどうかもボカされており、その後の五月との会話でも明確な答えは見えなかった。

 このシーンが曖昧なままになっている事には何か理由があるはずだと、私の中でずっと引っ掛かっていたのだ。

 

 考えられるとすれば、春休みのキスの相手が一花だと判明した後にこれが活きてくるのかなあ。

 「ファーストキスだった」と語るフータローに、実は林間学校の時に既にファーストキスは済ませていたのだと、一花が照れながら謝る場面があるのかもしれない。

 

【キスシーン】

  あ、あ、あ……。あ、そりゃ女優ですからね。

 そりゃそうですよね、そりゃドラマでキスシーンくらいあるでしょう。
 ええもう当然解っていたことです。

 ぜぜ全然、もちろんそんなどどどどどど動揺なんててててててててててて

 

 ま、作風的に「実は振りだけ」というオチがつくんだろうけど。
 フータローも「誰も選ばない」と決めている手前、口には出せていないだけで、明らかに表情を強張らせているし、この一件が落ち着いた後に「ドラマではキスをする振りだけ」と一花がバラして、フータローがほっとする描写が挟まれそう。

 

【告白】

 おいッ!!? このヘタレ野郎!!!!!

 と、正直一瞬思ったけど、まー、今後の姉妹仲を考えたらこうなるのも仕方ないよね。
 実際、修学旅行では自分が原因で険悪になっているところを目の当たりにしているわけだし。

 今は修復されたとはいえ、フータローが誰か一人を選んだときに再び姉妹の関係が壊れないとは言い切れない(読者は壊れていない未来を知ってるけど)。

 フータローを責めるわけにはいかないな。

 

 そもそも、答えを出すのは四葉さんや五月の救済を描いてからだろうから、どっちにしろ今回で誰かを選ぶとは思ってなかったしね。

 中野姉妹の実父(仮)襲来のこともあるし、フータローが決断を下せるのはそのゴタゴタを解決した後のことだろう。
 ただ、初日でハッキリと「誰も選ばない」つもりだと明かしたってことは、前回の引きとなった最終日には上記の問題も全て回収して、本当に誰かに告白するという線もあり得るかな。

 

 それにしても、一花がここまで自虐的というか、卑屈になっているとは。

 四葉と五月だけでなく、彼女にもまだ救済の章が必要だよね。

 もっとも、一花の場合はフータローが彼女を選んで姉妹から祝福されるという解決の道筋は既に見えているわけだから、四葉や五月のような「一体どうすれば救われるのか解らない」という不透明感は無いけれども。