という名の第96話『進み続ける日常』と第97話『変わり始める日常』の合同感想。
信じたくないのは解る。私だって同じ気持ちさ。
だが、そうとしか考えられないんだ。
最終的にはパンケーキセットを買い揃えたマルオが、なぜ二乃にパンケーキを食べさせることだけは頑なに拒絶したのか。
彼女が美味しいパンケーキを作れるようにさせたいのならば、むしろ店の味を覚えさせた方が良いはず。
この一見チグハグに見える行動に説明が付けられるとすれば一つ。
二乃に「零奈さんのパンケーキ」以外の味を経験させたくないという、マルオのエゴ以外には考えられない。
つまり、マルオは二乃に、零奈さんのパンケーキの味を再現させたかったわけだ。
だからこそ、他の店のパンケーキなどという『味覚のノイズ』を味わわせる事を病的なまでに拒絶した。
この事が意味するのは、マルオは二乃に「零奈さんの影」を重ねているという事実である。
そう。
マルオは二乃の事を、最初から娘ではなく異性として見ていたわけだ。
マルオに関しては、本来は他人であるはずの中野姉妹に尽くしてきたにも関わらず、あまりにも雑に扱われている事を哀れに思っていたのだが、娘を性的な目で見ているのだとしたら、話は別だ。
姉妹たちは、マルオが本当に父親として振舞っていないことを、本能的に察知していたからこそ、距離を置いていたのである。
無論、距離は置きながらも、自分達を育ててくれたことに関しては、それなりに感謝しているような描写はこれまでも度々あった。
その中でも、二乃は別格だ。
義父に対して最も反発している様子を見せてはいるが、本当のところマルオが用意してくれた道具を使ってパンケーキを作っている。
彼女のツンデレという人格を考えれば、実際には義父に一番影響を受けているのは二乃なのだろう。
春休みのキスの相手ではあり得ない事から、早くも敗北ヒロインが決定してしまった二乃ではあるが、最終話でマルオと結ばれるのであれば、二乃ファンも納得できるのではないだろうか。
問題があるとすれば、養子縁組した二人は結婚できないことである。
マルオが五姉妹を養子として引き取っているのだとしたら、法的に二乃と結婚する事は不可能だ。
しかしながら、五姉妹の母親はマルオと再婚した様子も無いのに「中野零奈」としてWikipediaに書かれている。
この事実から考えると、マルオの姓も零奈さんや五姉妹のせいも、どちらも偶然「中野」であり、実はマルオと五姉妹は養子縁組は結んでいないものと考えられる。
マルオが単なる未成年後見人なのだとすれば、二乃との結婚に法的な問題は無いはずだ。
最終話では、フータローと一花の結婚式の傍ら、実はマルオと二乃の結婚式も催されるのではないかと、今から予想している。
【その他】
・いや、フータローと一花さん、夫婦すぎる!
・こんなシックリ来る関係ある?
・意図したもんじゃないと思うけど、カラーの四葉さん・一花・三玖の顔なんか怖いな。
・わざわざ道具を用意したのに、「パンケーキ屋に連れて行ってもらえなかった」という印象だけ残ってるのは中々辛い。
・直球で言わず、やんわりとした言葉選びをすることと、陰でコソコソすることは全く別物だと思うんですがそれは。
・まあ、四葉さんも陰でコソコソ動くタイプの人なので、そういう意味では理解はありそう。
・二乃にまつわる揉め事があまりに雑過ぎて、うん……。
・その内容を男子の実行委員に相談せんやろ。
・今更だけどこの成績でよく塾講師のバイトしてますよね、五月。
>「は? 心配? あの人がいつ……」
>「直接何かをしてもらったことは少ないですが」
・ええ……。
・血も繋がってない五つ子を養子にして名門校に入れるわ、落第したら別の高校に転入させるわ、豪華マンションに住まわせるわしてるのに、『貰った事は少ない』……?
・さすがに恩を知らなすぎません?
・一花が文化祭準備にまで入っちゃうと、満を持しての四葉さんの貴重な出番まで削っちゃうのはさすがに可哀想だから、これは仕方の無い措置。
・お客さんとして来て、フータローと文化祭デートをかますとは思うけど。
・四葉はフータローが好きなんじゃないかとクラスの女子に推測されたのに、二乃は信じてすら貰えないのか……。
・同じ顔の五つ子でも四葉は手頃で、二乃は高嶺の花と思われてるのね。