あああ、つまんねえええええええ(直球)。
おんな城主 直虎 第4回『女子にこそあれ次郎法師』感想
※以下、ネタバレ注意
いや、こんなことよくないことは解ってる。
良くないと思ってはいるんだけれど、どうしても真田丸と比べてしまうなあ……。
まず、戦国時代を舞台にした大河ドラマで、立場ある人間が、己の色恋のために一族を危険に晒す計画を立てる話を見せられても、全く感情移入できない。
真田丸の登場人物たちは、それぞれが形は違えど大義を持ち、それぞれに「与えられた天命」を全うしようと奮闘する物語だったからこそ、(本当のところは知らなくとも)「リアリティ」を感じられて、それが面白さに繋がっていたわけだ。
しかるに、この作品のキャラクターはどうか。
昭和の香りすら漂う、まるでトレンディドラマのような身勝手な恋煩いで動いている。
10歩む譲って、これをやってるのがただの姫様を主役にしたドラマだったらまだ良い。
しかし、この作品は「戦国時代の荒波を、女の身ながら井伊家の主となって乗り越えた女性」というテーマであろう。
そんな重々しい内容を宣伝してきたドラマで、だらだらだらだらと、愛だの恋だの歯の浮くようなラブコメ紛いのストーリーを垂れ流されれば、文句の三つ四つも言いたくなる。
最終的には次郎法師はお家のためにその身を奉じる決意を固めたとはいえ、10年ぶりにようやく井伊家に帰参し、しかもその帰参自体が認められるかどうかも分からない身にある直親がしつこく食い下がり、「個人の幸せ」を論じる場面を見せられるだけで、こっちとしては頭痛がしてくる。
そもそも、次郎法師が出した結論自体にも説得力がないしなあ。
「えっ……。子供時代ならともかく、いい年してまだ当主になれる気でいたの……?」としか思えない。
当然ながらこの時点で誰も本気で次郎法師を頭領候補とは考えていないのだから、現時点ではそんなものはただの子供の夢でしかない。
そのせいで、せっかくの「井伊家のために現実を見据えたおとわが亀之丞との結婚を断る」という次郎法師の格好良さを表現できるシーンだったのに、「馬鹿みたいな駆け落ちの誘いを、馬鹿みたいな夢物語を理由に断る」という構図になってしまった。
一昔前のネットスラングを借りれば、まさにスイーツ(笑)である。
救いは鶴丸こと小野政次だけ……。
あの鬱屈した人物像には、これから物語を動かしてくれる期待感を抱ける。
但馬守よ、お願いだからどうかこのドラマを面白くしてくれ……。